◆静岡空襲を生き延びた松がある家


築50年の家 リノベーション大作戦!

 

中古住宅だから味わえる、マイホームへの愛着

 

画像 103   R0011062
 

画像 105  R0011074
 

R0011076  画像 120
 

このボロいコンクリートの建物から、私たちのマイホームです。
 

・昭和38年 築53年のコンクリートブロック造の家です

・124坪の土地

・鬱蒼と生い茂るジャングルのような庭

・ガラガラと音を立てて動く、重い鉄製のサッシ

・玄関は、大きなガラスがはまった木の引き戸

・いたるところに蚊取り線香が置いてある、荒れ放題の庭
・でも土地は立地は交通の便がよく、静観な住宅街で、ママの実家にも近い。
 
・近所の方も、『住むには本当にいい場所なのよ』と太鼓判を押してくれます。

ただ1つだけ、大きな問題がありました。

それは、124坪の土地を買うと、建て替えに回せる予算はないことでした。

 

この家をリノベーションして再利用するしかありませんでした。

すると長男からこんなことを言われてしまいました。

「なんでこんな家を買うんだよ!また、ぼろい家じゃないか!」

さらに、私の同級生からも、『建て替えたら・・』と言われました。

 

なんと言われようとも、やるしかありません。

果たして、どんな家になったのか?

 

《マイホーム リユーズ大作戦≫ をご覧ください。

 

_DSC5388_1

 

1 やっておくべき工事


 

1-1 外壁の塗装と、屋上の防水メンテナンス


 

おそらく、一度も塗り替え工事をしていなかったようでした。

 

画像 111

一度もメンテされていないような状態



 

塗ってあった塗料は、そのほとんどが触ればめくれる状態でした。

屋根の緑の帯は、おそらく建築当初の塗装でしょう。

ただ、外壁そのものは、ひび割れもなくしっかりしています。

塗り替えするだけで、見違えるほどに綺麗になるはずです。

写真の正面部分は、脚立足場で塗り替え工事をしました。

 
Before
After
画像 107 yajirushi R0011218
 

外壁を塗り替えたいのですが、とにかくやることが多い。

家の周りの生い茂る樹木を伐採、抜根するだけでも大仕事。

置き去りにされた脚立や椅子 不燃物の片付けも大変な作業です。

とにかく片づけないことには、足場も立たない状況でした。

 
Before
After
R0011219 yajirushi R0011233
 

予算を節約するために、足場は必要最低限の面だけに設置しました。

 
Before
After
画像 135 yajirushi  P1030060
 

屋上には、コンクリート製花壇、鉄パイプの手すりも錆びだらけ

花壇を撤去して、ぼろぼろの雨樋を交換し、手すりのさび落とし

鉄のパイプ手すりと、鉄製はしご、 対候性に強いグラファイト塗装にしました。

 
Before
After
画像 103 yajirushi content_works_3_img_02
 

外壁全体は、薄いクリーム色に塗りました。

クリーム色にした理由は、玄関に張ったグレー色のタイルとの色合わせです。

そして、建物の柱型、屋根の帯、玄関の門柱にはアクセント塗装をしました。

小豆色の砂粒を吹き付けした、SK化研の《エレガンスストーン》です。

御影石のような高級感で、みごとに生まれ変わりました。

 

1-2 床を解体して、防湿コンクリートを打ちます。


 

Before
After
R0011079 yajirushi R0011091
 

床を解体してみたら、予想通り、土の地面が出てきました。

地面からの湿気を防止するために、防湿コンクリートを打ちます。

 

すると整地するために、壁際を歩いていると、ズボッと足元に落とし穴。

それも、歩くたびに、ズボッズボッと地面が陥没するのです。

なんとモグラの巣がいっぱい、穴だらけの地面だったのです。

 

仕方がないのでスコップで巣をつぶし、防湿コンクリートを打ちました。

 

1-3 スチールサッシをアルミサッシに変えました。


 

R0011062

欄間付き 隙間だらけの網戸付きサッシ



 

ガラガラと音を鳴らしながら動く、鉄製のサッシ。

隙間だらけの網戸、風が吹けばガタガタうるさい鉄製サッシ。

 

R0011116

リビングのサッシ ペアガラスに変身です



 

当然 アルミサッシのペアガラスに交換しました。

今では手に入らない鉄製サッシ ちょっともったいかな・・と思いましたが

あまりに不便なので、即決で交換となりました。

 

画像 105

昔ながらの 引き違いガラス戸



 

さすがにこれでは、防犯どころではありません。

ただ、南に面した1日中ずっと陽が差し込む明るい玄関です。

ガラスの欄間をはめ込んだ、玄関ドアに交換しました。

 

P1030084

漆喰が映える、白い玄関



 

陽の光が白い漆喰に反射して、とても明るい玄関になりました。

 

1-4 お風呂・トイレ・キッチンの配管設備の交換をしました。


 

R0011081
R0011080
なんと なんと お風呂の排水管は土管。土管ですよ。

 

P1030071
初めて、実際に使われている土管の配管を見ました。

当然 全面改修です。

 

 
Before
After
 画像 009 yajirushi P1030066
 

足が延ばせない小さな風呂桶、冷たいタイル張りの床と壁

借家で味わった寒い風呂と同じ、冷たい思い出のお風呂です。

さすがにこれは、ユニットバスに交換です。

 

テレビが大好きで、お風呂になかなか行きたがらないかった子ども達

今回、奮発してお風呂にテレビを取り付けしました。

これで、CMになれば急いでお風呂に飛び込んでくれることでしょう。

 
Before
After
画像 010 yajirushi P1030062
 

トイレ、新しい便器は水の使用量が半分になっています。

5人家族ですから、当然 便器は節水タイプに交換です。

TOTOのトイレ GGシリーズです。

 

古いトイレの窓 鉄製サッシなのですが、なんかいい雰囲気です。

ということで、古いサッシはそのまま再利用しることにしました。

ちょっと遊び心で、シャンデリアのトイレにしてみました。

 

2 どうしてもやりたかったこと


 

2-1 LDKをDKにして、キッチンは独立キッチンにする


 
Before
After
画像 008 yajirushi R0011288
 

もともとは、全体で14畳に相当するLDKでした。

「これだとリビングが狭いよね」そこで考えたのが、独立キッチン。

独立キッチンにした理由は、広さだけでありません。

 

 ・子どもが3人、毎朝忙しくて、なかなか片付かない

 ・大きな無垢の木のテーブルを置いて、家族の作業台にしたい

 ・仕事、アイロンかけ、子どもの宿題、なんでも作業テーブル

 ・食後もテーブルでお茶を飲み、家族で話をしていたい

 

問題は、どの場所にキッチンを移動することができるのか、ということです。

そこで考えたのが、このキッチン横にあった納戸です。

 

 

画像 108

この小屋がキッチンに変身します



 

画像 124

ごちゃごちゃの納戸を片付け キッチンに変身



 

増築された、簡単な掘っ建て小屋のような納戸です。

この場所に、新しいキッチンを移動させることにしました。

 
Before
After
R0011080 yajirushi _DSC5372_1
 

キッチンは、ママがお気に入りのクリナップ「クリンレディ」

天井も低く、コンパクトなキッチンスペースですが使い勝手はいいです。

難点は、換気扇の位置が低くて、私には使いづらい事です。

幸いにも、ママは145㎝なのでピッタリサイズになりました。

エアコンも取付して、夏でも揚げ物を快適に料理できます。

 

2-2 セレブようなリビングにしたい


 

独立キッチンにしたことで、リビングも広く使えることになりました。

私の会社は、元は材木屋。やっぱり、大きな木のテーブルでしょう!

 

R0011288

2.2m×1mのテーブルと、ボンボン柱時計



 

大人6人が余裕で座れるテーブル なんと厚み 65mm

陽の光にオレンジ色に輝る木目が、キラキラしてとてもきれいです。

 

 

_DSC5369

テレビ台とタイルの壁



 

大型テレビ置くと、その背中には大きなスペースの壁があります。

ただ白いクロスにすると、間が抜けた感じになってしまいます。

そこでゴツゴツしたタイルを張ってみました。

まるでアメリカのドラマに出てくる家のような感じになりました。

 

今、リビングは大きく模様替えをしています。

というのも、自宅で「米ぬか酵素風呂」を開業することになったからです。

リビングが待合となるため、店舗らしい雰囲気にイメージチェンジです。

当初からママが希望していた、真っ白なリビングに変身しました。

 

p1030134
 

米ぬかリビング01
 

FullSizeRender

ソファーの背中は、腰壁仕上げ



 

クロスの上から、腰壁パネルを張り付けました。

これでソファーや椅子が当たっても、傷つき防止になります。

せっかくなので、貝殻仕上げのシェルタイルで帯を作りました。

絵画の額縁によく似あいます。

 

2-3 ウッドデッキを作りたい

 

この家を買った時から、どうしても作りたかったのがウッドデッキでした。

リビングの床がウッドデッキへとつながれば、目線も広々します。

庭とリビングの間にウッドデッキがあれば、より庭を楽しめる

屋根をつければ、梅雨の雨でも庭を楽しむことができます。

 

リビングから庭を望む

リビングから庭を望む



 

IMG_0155

キッチンへと続く渡り廊下



 

リビングから和室まで、横幅10m×出幅3mの大きさで作ることにしました。

さらに、ぐるっと回ってキッチンまでつながる渡り廊下も作りました。

 

IMG_1548

目隠し壁&収納棚



 

P1030054

ウッドデッキの全景



 

ウッドデッキの屋根は、カーポートで作っています。

その理由は、屋根の材料が遮熱性ポリカでできているからです。

夏場に運転席が熱くならないように、屋根は遮熱素材になっているのです。

 

これにより、夏場の直射日光でリビングが熱せられるのを防止しています。

木で作る屋根だと、塗料の塗り替えも大変です。

カーポートならメンテナンスフリーなので楽ちんです。

 

キャプション

娘と制作した「真っ黒 くろすけ」



 

今回は、デッキと同時に、ウッドフェンスも作りました。

これは、道路から直接的に庭が見えないようにする目隠しです。

そしてステンドグラスをはめ込み、女性好みの玄関に作りこみました。

 

IMG_1543

道路からの目隠しです



 

IMG_1544

ステンドグラスをはめ込みました



 

2-4 庭をきれいにしたい


雑草が伸び放題の、ジャングルのような庭

あっちにも、こっちにも蚊取り線香が置いてありました。

蚊に刺されまくり、それだけで嫌になっちゃうほど刺されます。

とにかく、草取りと植木の伐採

 

R0011073

左から、ビワ もみじ 松 ビワの根元には手洗い



 

ビワは、大きくなりすぎて、脚立でも手が届きません。

根も弱くグラグラなので、伐採しました。

そのまま、モミジと松も生気もないので、切った方がよさそうです。

 

すると、様子を見にきていた祖母がいいました。

「もみじ まつ 戦争でも焼けずに残ったんだよね・・」

こんなことを言われると、切るにしのびありません。

お手入れして、大事に育ててみることにしました。

あれから 5年。もみじ、松はこんなに元気になりました。

 

 

IMG_0158

元気になった もみじ 松



 

鬱蒼としていた庭は、5年かけてやっと見せられる庭になりました。

 
Before
After
画像 140 yajirushi P1030051
 

庭石のすべての配置が見えるように、下草を取り除き

芝生で全面を覆うことで、奥まで視線を伸ばし、広く見せました。

 

 

 

P1030076

我が家のシンボルツリー 百日紅



 

P1030073

満開になるまで、元気になった百日紅



 

玄関にはもともとあった百日紅。

今では我が家のシンボルツリーですが、当時は悪い状態でした。

根元が弱く、台風が来れば倒れてしまうような状態でした。

 

ここの庭、消毒をするたびにカナブンの死骸が百匹近くも落ちてきて

このカナブンの幼虫が、根っこを食べてしまうから、根が弱ります。

根っこの状態が回復するまでに、3年もかかるほどでした。

 

今では枝も葉も元気になり、剪定が追い付かないほどです。

 

P1020417

春には桃の花 すっかり元気になりました



 

P1020435

戦争を生き延びた松は、元気になりました



 

P1020444

気持ちのいいほどきれいな、すだれもみじ



 

P1020453

戦争を生き延びたもみじ きれいな花が咲く



 

この家に元々あった、戦争を生き延びた4本の植木はみんな元気です。

 ・もみじは、かわいい赤い花をつけ

 ・松は、にゅろにょろと新芽をだし

 ・桃の花、春にはピンクのお花が満開になります。

 ・百日紅 みごとなまでにピンクの花びらが舞い落ちます。

 

大切に育てたおかげで、1年間楽しむことができました。

 

3 構造的にできない工事


 

3-1 間取りは変えられません


 

R0011084

階段横の洋間 4.5畳



 

R0011079

リビング



 

R0011078

玄関ホール



 

床も壁も解体しましたが、壁は解体できません。

間仕切り壁は、すべてコンクリートブロックでできています。

だから、こんなことをしたくても、できません。

 ・階段の位置も、横幅も変えられません。

 ・廊下の横幅も変えられません。

 ・新しく壁を壊して、窓を付けることもできません

 ・出入り口のドアの位置も変えられません

 ・天井の高さは変えられません

 

3-2 50年前は、基本のグリッドが4.5畳の間取りです


 

間取りを変えられないことで、残念だったことがあります。

それは、間取りの基本が4.5畳のグリッドになっていることです。

現代の間取りで子ども部屋を考えると、【6畳&物入れ1畳】が基本です。

6畳のスペースなら、ベット&学習机&本棚を置いても、十分広いです。

 

それに対してこの建物は、昔の間取りになっています。

物入れは1畳、部屋は4.5畳、合わせて6畳なのです。

さすがに、4.5畳にベット&学習机&本棚だと、いっぱいです。

 

このグリッドで一番困ったのが、水回りのスペースでした。

【お風呂&洗面脱衣所&トイレ】を合わせて、4.5畳でした。

 

 ・お風呂は、絶対に1坪(2畳)にしたい

 ・洗面脱衣所は1畳、しかも化粧台も設置する

 ・洗面化粧台を置くと、実質80㎝×100㎝の脱衣スペース

 ・トイレは、80㎝×250㎝と奥に長い変わったスペースです。

 

P1030062
 

この写真、トイレのドアから撮っています。

それなのに、便器が小さく見えます。

普通のトイレの1.5倍の奥行きがある、遠いトイレです。

 

パズルのように考えても、これ以上の改良ができませんでした。

 

そしてもっと困ったのが、洗濯機。

どこにも置く場所がなくなってしまったのです。

困った挙句に落ち着いた場所は、リビングでした。

 

_DSC5375

洗濯機はクローゼットなかに隠してあります



 

洗濯機

クローゼットの中には、洗濯機



 

ところが、今では、家事の動線の中心になる一番いい場所になっています。

朝、朝食の準備・お弁当・洗濯機を同時進行でテキパキこなします。

毎朝3回の洗濯物、テーブルが仮置き場所であり、作業台。

まるでコインランドリーのような作業環境になっています。

 

3-3 外観は変えられません


 

コンクリートブロック造ですから、躯体の形は変えられません。

 

画像 103 P1030059
 

この2つの写真を見比べてください。

建物の躯体形状は、まったく同じまま、でも見た目は、全く別物です。

なぜこんなにも、違って見えるのでしょうか?

 

 ・玄関にタイルを張っている

 ・玄関ドアが新しくなっている

 ・塗装を新しく塗り替えている

 ・門扉が新しくなっている

 ・ウッドフェンスが作られた

 

写真に見える、植木鉢・リース・ツタの絡まったフェンスを取り除いて

スッキリと片付け、塗装するだけでも、かなりきれいになります。

素材である「石・タイル」&「鉄」&「木」を組み合わせると相互作用で

お互いの素材感を上手に主張してくれます。

 

鉄の門扉&タイル&ウッドフェンス さらにガラスの照明器具

最初に目に入る玄関がまとまれば、躯体の形状は関係ありません

 

手を掛けなければ、築50年のぼろい家

手を掛けると、まるで新築のようによみがえります。

これがリノベーションの魅力です。

 

4 あえて残した古いもの


 

4-1 鱗ガラスのスチールサッシ


 

R0011081

トイレのアンティークな窓



 

画像 128

階段のアンティークな鉄製サッシ



 

トイレと階段には、同じ形の窓がついていました。

開き方も、「横滑り」という今はやりの開き方をしています。

はまっているガラスは、鱗のようなガラスで今では手に入りません。

開け閉めは、少し硬い動きですが、そこがまたいい感じです。

 

4-2 土管の雨水排水と古井戸

 

この家には、古井戸が2つもありました。

聞くところによると、昔、造り酒屋があった名残だそうです。

井戸は浅い堀井戸で、水面も2mほどに見える状態です。

とても生活用水には使えないので、庭の散水に使用しています。

 

P1030079

この井戸からくみ上げて利用しています



 

P1030078

裏通用口の井戸 手押しポンプの名残り



 

巴川の伏流水というより、浸み込んだ雨が溜まったような地下水です。

洗濯に使うと、白いワイシャツが黄ばむほど錆気のある水でした。

今は、庭の散水用にしか使い道はありません。

 

P1030071

雨水排水の受け口が土管になっている



 

昭和38年の家 考えてみれば私の幼少の頃の家を思い出します。

薪で沸かすお風呂がガスに、トイレが汲み取りから水洗に変わったのが

私の子ども部屋を増築した小学校3年生の頃だったので、

昭和47年ごろだと思います。

 

おそらく、その当時は土管の配管が当たり前に使われていたのでしょう。

今回は配管をすべてやり変えましたが、ここだけ残しました。

雨水排水なので、仮に地震で割れても不都合はありません。

それなら、50年前の証拠を残した方が面白いので、再利用しました。

 

4-3 イナゴ天井

 

今では新築の家でイナゴ天井をやる人はいません。

古臭いし、手間もかかるので、普通はクロス仕上げとなります。

それに新品で見栄えがするほどのデザインでもありません。

 

イナゴ天井

新品のイナゴ天井の施工事例



 

でも、アンティークとして見れば、価値があります。

私は古いものを経年劣化のまま再利用するのは、好きではありません。

きれいに手を入れ、魅力を引き立たせて利用しています。

 

今回は、色を黒近いこげ茶色で塗り直しをしました。

照明のオレンジ色の光が、きれいに映える色合いに仕上げました。

 

P1030080

廊下のイナゴ天井



 

P1030081

階段の吹き抜けとイナゴ天井 階段はカーペットをはりました



 
Before
After
画像 126 yajirushi  P1030087
 

日本家屋の和室、ヒノキの化粧柱・見切り・長押の白木は見事です。

きれいにカンナで仕上げた白木の美しさが、和室の魅力です。

さすがに50年経っているので、茶色く焼けています。

 

それならいっそのこと、黒く塗って洋風にお色直しをしてみました。

天井、柱、廻縁、鴨居に障子まで、すべてを黒く塗りました。

すると壁の漆喰の白さと相まって、古い洋館のように雰囲気です。

 

5 リノベーションの魅力について


 

5-1 築50年の家を自慢している自分がいること


 

お客さんの驚くことが楽しい


 

米ぬか酵素風呂のお客様が、とにかく感心して頂けるのが庭です。

毎朝6時から、掃き掃除と雑草取り、芝生の剪定、水やりをやっています。

1時間弱の作業を毎日続ければ、庭はきれいに保てます。

 

メジロ、キジバト、スズメ、ムクドリ、ハクセキレイが舞い降ります。

植木には、メジロとキジバトの巣ができました。

トンボ、蝶、クマンバチも入れ替わり飛んできます。

この様子を見るだけでも、お客様は楽しそうです。

 

そんなお客様が一番驚くのが、築50年の家と知った時です。

「え~、そう見えない、綺麗でリビングの感じが好き!」

「リビングから庭も、落ち着いた感じで、すごくいい!」

 

こんな反応があるから、庭のお手入れも楽しくなりますし、

プチリフォームで、少しづつ素敵な空間づくりを楽しむことができます。

 

p1030146

雨の庭を 愛犬「ビビ」と楽しむ



 

リノベーションの魅力は〔物を大切する〕を実践していることです。


 

物はこれを愛する人によって生み出され、

これを大切にする人のために働き、

これを生かす人に集まってくる。

すべて生きているからである。

 

この気持ちが理解できた時に、本当の魅力に気づかされます。

 

参考までに、「築50年に見えない」と思われたのには理由があります。

 

古臭くみせない、3つのポイント

1 サッシを交換している

 

どんな人でも、そのサッシがいつ頃の物か、だいたい予想できます。

子どもの頃、アパート暮らしの頃、友人の家、記憶に残っています。

サッシが新しいだけで、建物が新しいと錯覚してしまうものです。

 

2 塗装を塗り替えている


 

塗り替えすれば、どんなものでもきれいになります。

ただ1つだけ注意する事があります。

艶でテカテカした仕上げは、いかにも塗り替えたように見えてしまいます。

5分艶の塗料で、表面を凸凹に仕上げると、落ち着いた感じになります。

 

理由は、凸凹は陽の光が乱反射するので、ピカピカと反射しないからです。

だったら、完全に艶消しの塗料で塗り変えればいいのでは?と思いますよね。

艶消しになると、雨で汚れを洗い流す能力が落ちてしまい、汚れやすくなるし

劣化も進みやすく、逆に汚く見える傾向にあります。

 

だから、5分艶の塗料と凸凹仕上げを組み合わせています。

 

3 庭とウッドデッキ

 

素材で見ると、〔コンクリートの建物〕と〔木のウッドデッキ〕と〔庭の芝生〕

色彩で見ると、〔クリーム黄色の建物〕と〔こげ茶色のデッキ〕と〔緑の芝生〕

 

ウッドデッキを介して、庭と建物を繋ぐから魅力が掛け合わされます。

 

ウッドデッキのこげ茶色は、クリーム色と緑のどちらにもアクセント色になり

より綺麗な色に引き立たせることになっています。

 

5-2 家で過ごす時間が増える


 

人を招きたくなる


 

リノベーションでよみがえると、人を招きたくなります。

正直、マイホームを自慢したいし、驚くほどに蘇ったことを共感して欲しいし

とにかくマイホームことを人に話したくなります。

この楽しさを最大限味わうためにも、工事前の写真はたくさん撮りましょう。

 

お餅つき大会

毎年恒例の餅つき



 

毎年、夏のバーベキュー、年末の餅つきを友達家族と楽しんでいます。

お昼から集まりはじめ、みんなで準備をします。

男性陣は、炭起こしに、もち米を蒸し始めます。

 

女性陣は、あんこを丸め、イチゴを切り、大福餅の準備です。

1升×5臼をつく合間には、おろし餅・磯部・大福とつまみ食い

最後は、鏡餅と伸し餅をみんなで作って、品評会をします。

 

昼の部の餅つきが終われば、ひと段落。

これから夜の部、大宴会が始まります。

バーベキュー、チマキ、酒の肴、デザートと手作り料理が並び

20人ぐらいの大宴会で、年末を締めくくります。

 

家のお手入れをするようになる


 

我が家の場合は、なんといっても庭のお手入れです。

毎朝6時から1時間、掃き掃除と雑草取りが日課です。

3月から雑草との競争が始まり、6月には一気に抜き去られます。

 

それでも何とか頑張り、雑草のない庭を維持します。

 

消毒は、月に2回。

芝刈りは、梅雨明けからは月に2回。

とにかく手間がかかるので、毎朝少しづつお手入れをしています。

 

ウッドデッキのお手入れもあります。

泥汚れの洗い流しは、月に1度。

塗装の塗り直しは、2か月1度。

 

とにかくやることが多いので、遊びに行くことは減りました。

特に自分だけの都合で出かけることが、極端になくなり

お出かけは夫婦2人で、お互いの友人は夫婦共有の友人になりました。

 

こんなことも、頻繁にあります。

たまには同級生と飲みに行こう!ということで、盛り上がり

お店はどこにする?と話し合っていると

 

「いいよ、林の家で、肉でも焼いて、飲もうよ」

 

なぜか、その一言で、私の家で飲み会になります。

まるで、「ここは沖縄か!」という感じで飲み会が始まります。

いつの間にやら、お酒がボトルキープされるような家になりました。