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◆ついつい長居したくなるやさしい歯科医院
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川野先生は、はじめて出合ったタイプの先生でした。
麻酔科の資格もあるため、私立病院に麻酔の仕事に行きます。
特に口腔外科の手術が、麻酔医が不足することで滞る現状に
時間を割いて、麻酔科医として焼津市立病院でも働いていました。
今回の歯科医院では、障害者への医療・訪問医療により
終末医療を担う地域の歯科医院になりたいということでした。
開業するだけでも厳しい時期に、介護分野は更に厳しくなります。
障害者への訪問医療に尽力している川野先生。![R0011971](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011971-320x240.jpg)
出張用の診療機械
![R0011979](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011979-320x240.jpg)
気道確保の器具
病院のシンボルは すずかけの木。
![プラタナス04](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/プラタナス04.jpg)
古代ギリシャの医学の父 ヒポクラテス。
すずかけの木下で、弟子に説いたとされるヒポクラテスの誓い
「良心にもとづいた治療をする。
人種・性別・地位により患者を差別せず 病人の利益のために治療する。
これは名誉をかけて誓うものである。」
![Exif_JPEG_PICTURE](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011628-640x425.jpg)
受付に飾られたステンドグラス。葉っぱが描かれています。
すずかけの木の葉っぱをモチーフに作成したオリジナルのステンドです。
川野先生に一番似合うシンボルマークです。
制作をお願いしたのは、ステンドグラス工房 ニャ~ゴさん
デザインのすべてをおまかせし、先生も大満足な一品となりました。
ところで医院はどんなテーマなのか?
「メンズエステのような」、う~ん、ちょっとチャラい・・・
ヒポクラテスのこだわりはどうしたの?とつっこまれそうですが
落ち着いた待合室と特別診療室をつくることで、
病院らしくしないデザインで
患者さんが、緊張しないで治療に来てもらえるようにしました。
![R0011629](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011629-640x480.jpg)
![プラタナス03](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/プラタナス03.jpg)
受付カウンター
プラタナスをイメージにして、色を配色しました。
プラタナスの木は、表面がグリーンとグレーのまだら模様です。
袖壁はグリーン 腰壁タイルはグレーのタイル
![R0011638](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011638-640x480.jpg)
待合コーナーは、天井を3段の段々をつくり下げて、落ち着いた空間にしています。
窓辺には、ペンダントライトを下げて、夜は外に光が漏れていきます。
![R0011632](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011632-640x480.jpg)
この部屋 トイレの中の手洗いコーナーです。
トイレは障がい者の介添えを考えて、3畳あります。
壁一面の鏡で、清潔感のある広々とした部屋になっています。
もちろん、カウンターの高さは車いす対応になっています。
![R0012497](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0012497-1-640x480.jpg)
特別診療室 ストレッチャーでの入室も想定した部屋です
正面に見える収納カウンターは、クリナップのキッチンを改良したものです。
キッチンの下側BOXだけを購入し、カウンターを別で取り付けました。
手洗いの上には、ステンドグラスのペンダントライト
腰壁のモールは、ストレッチャーの接触カバーです。
巾木には、車いすのフットレストの接触カバーをつけました。
![R0011957](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011957-320x240.jpg)
![R0012500](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0012500-240x320.jpg)
トイレの洗面カウンター モザイクタイル ステンドのペンダントライト
![R0011968](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011968-320x240.jpg)
![R0011637](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011637-320x240.jpg)
診療室の様子 天井にはトップライト 消毒室への入り口には、カウンター
![R0011969](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011969-320x240.jpg)
![R0011636](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011636-320x240.jpg)
消毒室は、厨房用流し 1枚板のカウンターと収納
![R0011645](https://forest-rehome.com/wp-content/uploads/2014/04/R0011645-640x480.jpg)
機械室には、コンプレッサーとバキューム
機械音が響かないように、防音マットで吸音しています。
ここの現場で忘れられないのが、東北大震災です。
この現場の造成~基礎工事まで終わり、いよいよ建て方だと思ったところに
あの地震がやってきました。
翌日から、ベニヤ、断熱材にはじまり、ほとんどの商品の流通が止まりました。
これは困った。商社に問い合わせても回答が出てきません。
ベニヤと断熱材はまるで配給制のようになり、割り当てられました。
断熱材は韓国製が輸入されるようになりました。
困りに困って、川野先生に事情説明に行ったところ
「東北の状況改善が最優先なので、工事の延期は了解です」とのことでした。
とはいえ、病院の開業に向けて、先生はすでに務めていた病院も退職しています。
家族の生活もあるので、工事の延期は死活問題ともいえました。
私は商社に交渉をして、代替え材料でもいいから、どんな商品なら入手できるか
可能な限り歩み寄るので、探してほしいと頼み込みました。
その結果、何とか材料をかき集めることに成功し、無事 完成しました。
この時、どうして間に合ったのか?
それは、川野先生自身が「東北が最優先」と言われたからです。
その気持ちに感化された私は、そのまま商社、メーカーの営業マンに伝え
すると彼らも同じように感化されて、材料集めに奔走してくれたのです。
というのも、震災後すぐに、ベニヤの出荷が止まりました。
商社の担当者のもとには、電話がひっきりなしにかかります。
その内容は、どれも同じ内容でした。
「俺のところに、在庫のベニヤを全部持ってこい!」
そうです。買い占めて儲けようととする人が大勢いたのです。
ところが私たちは、どんな代替品でもいいから、集めてほしい
なんとしても、川野歯科医院を予定通りにオープンする!
ただ、ただ、このことだけだったので、意気に感じたそうです。
「今日の電話で、意気に感じたのは社長の電話だけでした」
と商社の担当者からは言われました。
川野先生の優しさが、みんなにつながった瞬間でした。